WORKS

2024年3月6日に無くなった父、森哲荘の回顧展をすることになりました。

この展覧会は、父、森哲荘の生前の作品を、多くの方に見ていただくことを目的としています。

父の残した作品の多くは宗教的なものが多く、一見関係なさそうな作品でもその裏には宗教的な背景が隠れています。この展覧会を通じて、皆様に、一人の木彫刻家が一生を通じて物を作ることで表現しようとしてきたことを感じていただきたいと思っています。


どうぞ、ゆっくりと作品と向き合い、作品を通して、父の内面を覗いていただけたら幸いです。

どうぞ、この回顧展を心ゆくまでお楽しみください。


森哲荘 回顧展 

2025年(土日、祝日のみ開館)

4月12/13/19/20/26/27/29日~5月3/4/5/6日

◎開催場所

醒ヶ井木彫美術館(森大造記念館)

住所:滋賀県米原市醒井96

開館:10:00~16:00

入館料:大人300円

神社、寺院建築で使われる懸魚と六葉という装飾の彫刻です。

古い山門の修復で古くなった懸魚を新しく作り直すことになりました。

懸魚ヒレをどういうデザインにするかで、宮大工さんと話し合い京都の永観堂のヒレのデザインで作ることになりました。

また、古建築で使われる懸魚と六葉という装飾がどのようにして作られるのかの作業工程を動画にしましたので、あわせてご覧ください


懸魚、ヒレ、六葉の作り方の動画

これを見れば懸魚と六葉を作れるようになります、プロであれば。


懸魚、ヒレ、六葉の写真


竜の蟇股の彫刻

長浜天満宮が道路拡張のため新調されるということでお仕事させていただきました。

写真の竜は正面の向拝の蟇股です。

両面だったので結構大変でした。

ちなみに元の見本は目が離れていたので、少し修正したのと持ち込まれた木材が、見本より少し縦長だったので、部材に合わせて絵を描きなおしたので若干形が変わっています。

見本は目が離れていておメメパッチリですが、これはこれで迫力があるなと思います。

長浜天満宮、蟇股の彫刻、波兎、雲鶴

蟇股と言うとカエルが四股を踏んでいるような外枠がつくものと、外枠は付けずに彫りだけものもとありますが、今回は彫だけです。

枠が付くと彫りにくいのでやり易い。

しかし見積の見本と、宮大工さんが持ってきた材料の厚みが違っていて「大分厚いやないか!」と思っていました。

厚みがあるとそれだけ深く彫らなければならないの手間賃が合わなくなるわけです。

それから見本の雲の部分もいい加減にデザインされているところがあり、「こりゃ辻褄を合わせるために適当に描いたな・・」と思われる部分もあって、絵を描きなおしたりしてました。

そんなこんなで「見積時と思ってたんとちゃうぞ!」と思ってたより大変な思いをした仕事でした。

上の二つが見本

長浜天満宮

宮大工さんから見本の獅子と獏の木鼻の顔を「もうちょっとカッコよくして!」と言われたので、顔の感じを変えてみました。

速くほしいを言うことだったので、兄に獅子を、獏は私が彫りました。

ちなみにもともとついていた獅子と獏は確かにお顔はいまいちですが、体は出来るだけ手間を入れずにそれなりに見えるように工夫されているなと思います。

木鼻の獅子獏は作るのに地味に手間暇かかりますので

これはこれで工夫だなと思います。

上がもともとの獅子と獏。


長浜天満宮

桁隠しの彫刻、桁隠しと言うのは建物を横に通っている柱か垂木の木口を隠すためのものです。

柱の木口が見えているとみっともないとか、木口が風雨によって劣化するのを防ぐためとかあるみたいです。

図柄は雲に鶴です。


見本からして結構深く繊細に彫ってあるので、仏壇の彫刻など彫っていた人が作っていたのかな?と推測してみる。

長浜天満宮

笈形の彫刻、笈形は神社側面の屋根の下、三角形のところに入る彫刻です。

図柄は雲鶴

長浜天満宮の仕事は鬼板以外はすべて木曾ひのきでした。

木曾ひのきと言えば木材の中でも最高級品、柔らかくて彫りやすいというイメージがあったのですが、笈形を彫ったこの部分は何故か硬い。

そしてやりにくい木でした。

木曾ひのきでも色々あるようです。