神社の彫刻、手挟み、笈形、蟇股(雲鶴)下り懸魚
建前にどうしても間に合わないということで、他の彫刻師さんから応援要請され、
手挟み、笈形、蟇股、下り懸魚を彫りました。
納期に間に合わないときに応援での仕事はよくあります。(最近は「仕事を依頼していた職人が亡くなったので、代わりに何とかしてくれ」という依頼もありました。急激に彫刻職人がいなくなってきているのを肌で感じます。)
今回も見本を元に彫りました。
見本があると下絵を考えなくてよいのである意味楽です。(下絵を考えるのって結構大変なんです。)
笈形
笈形は側面の屋根の下につく部材です。
まず見本の彫を見てみると滋賀県の長浜市の仏壇「長浜仏檀」の原型になった和泉壇を作った彫刻名人の藤岡和泉と言う人がいて、どうも藤岡和泉の作ではないかということでした。
彫り方も社寺の彫りと言うよりは仏壇の彫りのようです。
新しく彫りなおした笈形がこちら4つ
同じように見えますが、3つは違うデザインになっています。
正面から見るとそうではありませんが、下から見るとかなり深く彫りこんでいるのがわかると思います。
手間暇を惜しまなかった昔だから出来た仕事なんじゃないでしょうか。
一応完コピに近い形で再現できたのではないかと思います。
彫刻の良し悪しや説得力って厚みや彫りの深さも関係してると思う。
彫が深いとやはり良く見える。
ただ手間がメチャメチャかかるので、手間賃も高くなります。(そりゃそーだ。)
手挟み
手挟みの見本はあるにはあったのですが、解体の時にバラバラになってしまってよくわからない状態だったので、新たにこちらで絵を描きなおして彫りました。
元あった彫は籠彫りと言うやつで、今再現しようとするとメチャクチャ手間いるやつ、そんなに手間賃が出ないのでこちらでそれなりに見えるような彫にしました。
新しく新調した彫がこちら
見本の通りに茎など作っていたら強度が無くなるから、太くしてほしいという要望でした。
蟇股
蟇股は雲鶴です。
オモテ↓
ウラ↓
降り懸魚
最後にどんな形で収まったか現場の写真のせときます。
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